計算尺ダイヤグラム

1.計算尺ダイヤグラムとは

計算尺推進委員会では、実際の計算尺の操作をいくつかのイラストに分けて説明しています。

たとえば、2×3では、次のように紹介しています。赤い部分に注目すれば、どのように操作をすればいいのかすぐ分かると思います。

計算尺推進委員会がこのような方法をとったのは、感覚的に分かりやすいからです。

一方、一般的な計算尺に関する本では「計算尺ダイヤグラム」と呼ばれる方法が用いられています。「計算尺ダイヤグラム」を用いれば、これらの操作を一枚のイラストに収めることができます。先ほどと同様、2×3の計算の仕方のイラストを掲載します。

2.計算尺ダイヤグラムの見方

基線

基線は尺の両端の線で示します。たとえば、C尺の基線は次の赤い部分です。つまり、尺の両端は計算尺の物理的な端を表しているのではなく、その尺の基線をあらわしているのです。

滑尺記号

滑尺の移動は、斜めの矢印を用いて示します。図では、「滑尺を移動させて、D尺の2に C尺の左の基線(つまりC尺の1)を合わせなさい」ということを意味しています。

カーソル線記号

カーソル線の移動は、垂直の矢印で表します。この図では、「C尺の3にカーソル線を合わせなさい」ということをあらわしています。

答記号

答えが得られるところは「*」で記します。この図では、D尺に答え6が得られるということを表しています。

順番記号

計算によっては、複数回滑尺やカーソル線を移動させなければならないときがあります。このときは計算の順番にまる1、まる2、…を付けていきます。

この例では、「LL尺の8にカーソル線を合わせ、カーソル線にC尺の3を合わせ、さらにC尺の2にカーソル線を合わせると、LL尺に答えの4が求まる」ということを示しています。