「2×3」の仕方です。
「8÷4」の仕方です。
「3×2」の仕方です。
「6÷3」の仕方です。
D尺に今までの計算の答えがあり、その値に、滑尺の基線(C尺の1やC尺の10、CI尺の1、CI尺の10など)があっているときは、C尺を使って掛け算を続ける。すなわち、カーソルをC尺上の次の掛ける数のメモリに合わせて計算を続けます。
D尺に今までの計算の答えがあり、その値にカーソル線が合っていて、そのカーソル線にC尺あるいはCI尺上の前に掛けた(あるいは割った)数字があっているときは、滑尺を動かしてCI尺の次の掛ける数をカーソル線に合わせて計算を続けます。
D尺に今までの計算の答えがあり、その値に、滑尺の基線(C尺の1やC尺の10、CI尺の1、CI尺の10など)があっているときは、CI尺を使って割り算を続ける。すなわち、カーソルをCI尺上の次の割る数のメモリに合わせて計算を続けます。
D尺に今までの計算の答えがあり、その値にカーソル線が合っていて、そのカーソル線にC尺あるいはCI尺上の前に割った(あるいは掛けた)数字があっているときは、滑尺を動かしてC尺の次の割る数をカーソル線に合わせて計算を続けます。
上に、4つの計算方法をまとめてみましたが、見比べてみると結構似ていると思います。では分析してみましょう。
C尺を使った掛け算とCI尺を使った割り算、C尺を使った割り算とCI尺を使った掛け算が似ていると思います。
C尺を使った割り算とCI尺を使った掛け算では、計算する2つの数字をカーソル線を介して上下に並べます。
それに対して、C尺を使った掛け算とCI尺を使った割り算では、計算する2つの数字が上下に並ぶことなく、滑尺の右端か左端を介して計算します。
上のまとめを見て分かると思いますが、C尺の1とC尺の10は区別せずに使ってかまいません。「C尺の1を使いたかったけど、使えない」というときは、C尺の10を使うことができます。その逆も同様です。
また、「CI尺の1を使いたかったけど、使えない」というときは、CI尺の10を使うことができます。その逆も同様です。
「固定尺のD尺の2に滑尺のC尺の3を合わせる」といった、固定尺と滑尺との間で操作する場合には、基本的にカーソル線を使います。つまり、「まずD尺の2にカーソル線を合わせ、カーソル線にC尺の3を合わせる」というようにします。D尺とCI尺の数字を合わせるなど、離れた数字を合わせるときに使うのは当たり前ですが、このようにC尺とD尺の数字を合わせるときにも使います。
ひとつ実験をしてみましょう。カーソル線を使わないでD尺の1.12とC尺の1.92を合わせてみてください。いずれも目盛りの線は付いていますが、合わせるのはかなり大変だと思います。ではカーソル線を用いてD尺の1.12とC尺の1.92を合わせるとどうでしょうか。比較的簡単に合わせることができると思います。
カーソル線を使うことによって、メモリを合わせる操作が楽になり、操作ミスも少なくなります。
しかし、カーソル線を使わなくてもいいときがあります。それは滑尺でC尺の1・C尺の10・CI尺の1・CI尺の10を使うときなどです。「固定尺のD尺の2に滑尺のC尺の1を合わせる」ときには、直接「D尺の2にC尺の1をあわせる」ことでかまいません。これも実験してみましょう。カーソル線を使わずに、D尺の1.12とCI尺の1(C尺の10と同じ)を合わせてみてください。難なく合わせることができると思います。
掛け算、割り算にはそれぞれC尺を使う方法と、CI尺を使う方法があります。どうして2通りもあるのでしょうか?それは、連続計算をするときに役立つからです。しかし、連続的に計算しない場合、つまり2つの数字を掛け合わせるときなどは、好ましい方が決まっています。
掛け算のときはCI尺を使う。割り算のときはC尺を使う。
こういうことです。どうしてかというと、楽だからです。まず、目外れが起きません。これは、とても大切な長所です。「計算したのにメモリが読めなかった」なんて悲しいですよね。それと、連続計算をするようになると分かりますが、こうした方法のほうが連続計算するときに次の手順に移りやすいのです。普段からこちらで慣れていれば、連続計算のときも素直に計算できます。そういう理由で、「掛け算のときはCI尺を使う。割り算のときはC尺を使う。」に慣れていたほうが好ましいです。
掛け算、割り算にはそれぞれC尺を使う方法と、CI尺を使う方法があります。それら4つは連続計算の基本となります。この計算については、ここをご覧下さい。
計算尺で掛け算の連続計算をするときは、「CI尺→C尺→CI尺→C尺→…」と順番に操作していくと楽になるのでした。同様に、割り算のときは「C尺→CI尺→C尺→CI尺→…」と順番に操作していくと楽になるのでした。スタートの計算方法が違うのは、掛け算の場合はCI尺を使ったほうが、割り算の場合はC尺を使ったほうが楽だったからです。できるだけ楽をして計算をしたいのです。
計算尺で計算をするとき(電卓や筆算のときでも同様ですが)、私たちが必要としているのは最終的な答えだけです。途中結果が何であろうが、私たちには関係ないのです。だから、たとえば、1.56×5.26×4.5のとき、1.56×5.26の答えは読み取る必要がありません。むしろ、読み取ろうとしないで下さい。時間の無駄です。ただ、そこに答えがあるということを感じていればいいのです。
CI尺を使って掛け算をした後、C尺を使って連続計算をする場合ですが、このとき一度カーソルをCI尺の1(あるいはCI尺の10)にあわせていると、それは無駄な動作です。なぜなら、カーソル線をCI尺の1(あるいはCI尺の10)にあわせた後、すぐにカーソルをC尺の別のメモリに移動させるからです。そのときは、CI尺を使って掛け算をした後、CI尺の1(あるいはCI尺の10)の下にその答えを感じながら、カーソル線を直接次のC尺のメモリに動かし、計算を続けてください。
C尺を使って割り算をした後、CI尺を使って連続計算をする場合ですが、このとき一度カーソルをC尺の1(あるいはC尺の10)にあわせていると、それは無駄な動作です。なぜなら、カーソル線をC尺の1(あるいはC尺の10)にあわせた後、すぐにカーソルをCI尺の別のメモリに移動させるからです。そのときは、C尺を使って割り算をした後、C尺の1(あるいはC尺の10)の下にその答えを感じながら、カーソル線を直接次のCI尺のメモリに動かし、計算を続けてください。
いつカーソルを動かして、いつカーソルを動かさないかは、はじめのうちは悩むと思います。しかし、計算尺を使っているうちにだんだん分かってくると思います。