ある程度上位の計算尺になると、A尺の下の滑尺上にB尺というのがあると思います。B尺を見てみると分かるように、B尺とA尺は全く同じメモリになっています。B尺を利用することで、計算方法を増やすことができます。
A尺をD尺、B尺をC尺と考えて計算することで、掛け算・割り算をすることができます。このとき、メモリの1・10・100や、2・20などは同じものと考えます。C尺やD尺を使う時にも、1と10は同じものと考えて計算しましたよね。
まずは、掛け算の仕方です。ここでは2×3をしてみたいと思います。
A尺の2にカーソル線を合わせてください。次にB尺の1をカーソル線に合わせてください。そして、カーソル線をB尺の3に合わせてください。すると、A尺には答えの6があります。
あるいは、次のようにしてもかまいません。
このほかにも、いろいろやり方があります。
割り算は掛け算の逆の作業ですので、やはりC尺・D尺で計算する時と同様な計算方法で計算できます。
6÷3は次のようにします。まず、A尺の6にカーソル線を合わせてください。次に、カーソル線にB尺の3を合わせてください。そして、カーソル線をB尺の1にカーソル線を合わせてください。すると、A尺には答えの2があります。
掛け算と同様、割り算の時にも、いろいろなやり方があります。皆さんも考えてみてください。
A尺とB尺を利用して掛け算・割り算をする時の利点は、絶対に目外れが起こらないということです。しかし、C尺とD尺を用いて計算する場合と比較して、半分の長さの計算尺で計算することになりますので、誤差が大きくなります。実際に計算する時には、できるだけC尺とD尺を用いて掛け算・割り算をするようにしてください。
A尺だけではこれらの計算をすることができませんでしたが、B尺を利用することで計算ができるようになります。
では、42÷8と、4÷√8の計算を見てみましょう。
まず、D尺の4にカーソル線を合わせます。すると、A尺には42が現れます。
次にB尺の8をカーソル線に合わせます。
B尺の1にカーソル線を合わせます。
すると、A尺のメモリは42÷8に、D尺はその平方根の4÷√8になります。