三角関数にはsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)、cosec(コセカント)、sec(セカント)、cot(コタンジェント)の6種類あります。しかし、実際に用いられるのはsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)の3つでしょう。
計算尺の目盛りとして登場するのはsin(サイン)、tan(タンジェント)の2つです。しかし、後に述べるように、ほかのcos(コサイン)はもちろん、cosec(コセカント)、sec(セカント)、cot(コタンジェント)についても求めることが出来ます。
基本的に三角関数の尺の名前は「S尺」「T尺」と言うのが大半でしょう。順に「サイン尺」「タンジェント尺」です。ものによっては、「SI尺」「TI尺」「T1尺」「T2尺」「TI1尺」「TI2尺」など、さまざまなものがあります。
「計算尺推進委員会」は、「世の中に出回っている一般的な計算尺すべてに対応した使い方」を記すのが目的でしたので、それぞれの計算について、まず計算の原理を述べ、それぞれの計算尺の種類について計算方法を記すという方法をとることにしました。
計算尺推進委員会のページをご覧いただく上で、三角関数尺の種類を判別していただく必要があります。以下で述べる計算尺の種類の型名は当委員会が独自に決めたもので、一般的な型名ではありません。
このタイプは、三角関数の目盛りがD尺に対応しているものです。
S尺をさがして下さい。その目盛りがだいたい6度から90度のものは「D尺対応」型です。
このタイプは目盛が左から右に行くにつれて数字が大きくなります。
これは次の「A尺対応」型、「DI尺対応」型と背反です。
このタイプは、三角関数の目盛りがDI尺に対応しているものです。
SI尺をさがして下さい。その目盛りがだいたい6度から90度のものは「DI尺対応」型です。
このタイプは目盛が左から右に行くにつれて数字が小さくなります。
これは「A尺対応」型、「D尺対応」型と背反です。
このタイプは、三角関数の目盛りがA尺に対応しているものです。
S尺をさがして下さい。その目盛りがだいたい0.6度(35分)から90度のものは「A尺対応」型です。
このタイプは目盛が左から右に行くにつれて数字が大きくなります。
これは上の「D尺対応」型、「DI尺対応」型と背反です。
このタイプは三角関数尺が滑尺上にあるものです。
これは次の「固定尺」型と背反です。
このタイプは三角関数尺が固定尺上にあるものです。三角関数尺が計算尺の側面にあるときも固定尺型とします。
これは上の「滑尺」型と背反です。
これは、「滑尺」型にのみに適用されます。「固定尺」型は、「表」型か「裏」型かの区別の必要はありません。
このタイプは、両面計算尺の場合です。両面計算尺とは、固定尺の表裏両面に目盛りが降ってあり、滑尺を固定尺に完全に収めたとき、滑尺の表裏全体が見えるものです。
これは次の「裏」型と背反です。
これは、「滑尺」型にのみに適用されます。「固定尺」型は、「表」型か「裏」型かの区別の必要はありません。
このタイプは、片面計算尺の場合です。片面計算尺とは、固定尺の表両面のみに目盛りが降ってあり、滑尺を固定尺に完全に収めたとき、滑尺の裏面の目盛りがほとんど見えなくなるタイプです。
これは上の「表」型と背反です。
2.で述べた用語を用いて、計算尺を次のように分類します。主に流通しているのは次のいずれかでしょう。計算尺推進委員会では次のものについて解説していきます。それ以外の計算尺でも、原理を読めば使い方がわかると思います。
一般的な計算尺の解説書では、「旧マンハイム式」「リッツ式」「SI・TI式」という名前が利用されていると思います。
滑尺の表に三角関数尺があって、S尺がA尺対応、T尺がD尺対応の計算尺です。計算尺推進委員会では、S尺は「A尺対応滑尺表型」、T尺は「D尺対応滑尺表型」をご覧ください。
滑尺の表に三角関数尺があって、S尺、T尺ともD尺対応の計算尺です。計算尺推進委員会では、「D尺対応滑尺表型」をご覧ください。
滑尺の表に三角関数尺があって、SI尺、TI尺ともDI尺対応の計算尺です。計算尺推進委員会では、「DI尺対応滑尺表型」をご覧ください。