二辺挟角既知の三角形の解法

二辺挟角既知の三角形の解法

ここでは次の三角形の解法を考えて見ましょう。

ここで、計算の方針は、まず三角形ACNの解法を行い、続けて三角形ABNの解法を行います。つまり、ANの長さ、CNの長さを求め、続いてBNの長さを求め、角Bの大きさを、そしてABを求めます。

ここでは、計算尺の種類として2種類D尺対応滑尺表型(両面計算尺の滑尺にD尺に対応する三角関数尺がある計算尺、通常S尺やT尺、T1尺などと表記があるもの)とDI尺対応滑尺表型(両面計算尺の滑尺にDI尺に対応する三角関数尺がある計算尺、通常SI尺やTI尺、TI1尺などと表記があるもの)について紹介します。

ANの長さ

計算原理

まず、ANの長さを求めましょう。三角比の定義から、AN = AC * sin C = 2 * sin 35 = 1.147です。

D尺対応滑尺表型

D尺の2にS尺の90(滑尺の右の基線)を合わせます。S尺の35にカーソル線を合わせ、カーソル線に対応するD尺の値を読めば求まります。

DI尺対応滑尺表型

D尺の2にカーソル線を合わせ、カーソル線にSI尺の35を合わせ、C尺の1(基線)に対応するD尺の目盛りを読めば求まります。

CNの長さ

計算原理

次に、CNの長さを求めましょう。三角比の定義から、CN * tan C = AN より、CN = AN / tan C = 1.147 / tan 35 = 1.638です。

これで三角形CANの解法が終わりました。

D尺対応滑尺表型

これは、先ほどの時点でカーソル線がD尺の1.147にあっているので、そのままT尺の35をカーソル線に合わせてS尺の90(滑尺の右の基線)に対応するD尺の目盛りを読めば求まります。

DI尺対応滑尺表型

これは、先ほどの時点でC尺の1がD尺の1.147にあっているので、そのままカーソルをTI尺の35に合わせてD尺の目盛りを読めば求まります。

BNの長さ

計算原理

次に三角形ABNについて考えます。

BN = CB - CN = 4 - 1.638 = 2.362です。引き算ですので、暗算で求めます。

角Bの大きさ

計算原理

次に角Bを求めます。AN = BN * tan Bより、1.147 = 2.362 * tan Bとなるので、B = 25.9となります。

D尺対応滑尺表型

先ほどの時点でカーソル線がD尺の1.147にあっているので、そのままS尺の90(滑尺の右の基線)をD尺の2.36に合わせてカーソル線上のT尺の目盛りを読めば求まります。

DI尺対応滑尺表型

先ほどの時点でC尺の1がD尺の1.147にあっているので、そのままカーソルをD尺の2.36に合わせてTI尺の目盛りを読めば求まります。

ANの長さ

計算原理

AB * sin B = ANより、AB * sin 25.9 = 1.147となるので、AB = 2.63となります。

D尺対応滑尺表型

先ほどの時点でカーソル線がD尺の1.147にあっているので、そのままS尺の25.9をカーソル線に合わせてS尺の90(滑尺の右の基線)に対応するD尺の目盛りを読めば求まります。

DI尺対応滑尺表型

先ほどの時点でC尺の1がD尺の1.147にあっているので、そのままカーソルをSI尺の25.9に合わせてD尺の目盛りを読めば求まります。

まとめ

以上のようにすると、二辺挟角既知の三角形の解法を行うことが出来ました。

特に、DI尺対応滑尺表型では、一番初めにANの長さを計算する時に滑尺を一度動かすだけで、あとはカーソルの操作だけで残りの計算を終えることが出来ます。

また、D尺対応滑尺表型では、一番初めにANの長さを計算する時にカーソルを一度動かすだけで、あとは滑尺の操作だけで残りの計算を終えることが出来ます。