双曲線関数の計算

1.双曲線関数の掛け算・割り算

sinh(1.2)×2やtanh(2)/3などの双曲線関数の入った掛け算・割り算は、三角関数の入った掛け算・割り算と同じ方法で計算することができます。

それでは、実際にsinh(1.2)×2を求めてみましょう。ここでは、双曲線関数の尺が滑尺にあるものとします。双曲線関数尺がなく、LL尺を利用して双曲線関数の値を読み取るときは、読み取った値にその値を記録しておき、普通の掛け算を行います。

まず、D尺の2にカーソル線を合わせます。

次に、カーソル線に滑尺の基線を合わせます。基線というのは目盛りの基準となる線で、滑尺ではC尺の1やC尺の10に対応します。目標としている尺(ここではSH尺)に必ずしも目盛りがふられていないことに注意してください。

そして、カーソル線をSH尺の1.2似合わせます。

D尺の目盛りを読むと、答えの3.02となっています。

2.coshを求める

冒頭で記した双曲線関数の定義より、coshは次のように求めることができます。

つまり、coshを求めるにはsinh÷tanhで求めます。

それではcosh(2)を求めてみましょう。まず、sinh(2)を求めます。滑尺の基線と固定尺の基線を合わせてから、カーソルをSH尺の2に合わせます。すると、D尺上にsinh(2)=3.63を求めることができます。

次にこの値sinh(2)=3.63をtanh(2)で割ります。カーソル線にTH尺の2を合わせてください。

そして、カーソル線を滑尺の基線に合わせます。

すると、D尺上にはcosh(2) = sinh(2)÷tanh(2) = 3.76を求めることができます。