あまり有名ではありませんが、双曲線関数というものがあります。双曲線関数の定義は次の通りです。
それぞれ、「ハイパボリックサイン」、「ハイパボリックコサイン」、「ハイパボリックタンジェント」と読みます。
双曲線関数は三角関数に良く似た性質があり、それだけで1ページ割くこともできますが、ここでは紹介だけにしておきます。
計算尺で双曲線関数を求めるには、2つ方法があります。
1つ目は、双曲線関数の尺であるSHやTH尺を用いる方法です。もう1つは、LL尺を用いて計算する方法です。しかし、SH尺やTH尺はごく一部の計算尺にしかありませんので、主にLL尺を利用した計算方法になります。
SH尺が固定尺にある場合と、滑尺にあるある場合がありますが、固定尺の場合はD尺、滑尺の場合はC尺と対応させて読むことができます。
それでは、sinh(1)を求めてみましょう。カーソルをSH尺の1に合わせます。
そして、C尺あるいはD尺の目盛りを読むと1.175となります。つまりsinh(1)=1.175です。
上でSH尺を用いる代わりにTH尺を用いて計算するとtanhを求めることができます。
TH尺の1にカーソルを合わせて、C尺あるいはD尺の目盛りを読むと、7.62となります。位取りを合わせ、これを0.762と読みます。
coshを求めるには、双曲線関数の割り算を利用します。これについては「双曲線関数の計算」で紹介します。