皆さんは逆数をご存知ですよね。手元にある広辞苑を引くと、「0でない数aに対し、ax=1を満たす数x、すなわち1をaで割った数をaの逆数といい、a-1、1/aなどと書く。」とあります。
まさにその通りで、これ以上付け足すことはありません。この節では、計算尺で逆数を求めてみたいと思います。
DI尺がある場合、D尺とDI尺が逆数になっています。
たとえば、2の逆数を求めたいときは、D尺の2にカーソル線を合わせれば、DI尺には2の逆数である5があります。
あるいは、DI尺の2にカーソル線を合わせれば、D尺で2の逆数の5が得られます。
DI尺がない場合、CI尺とC尺を使って計算します。
たとえば、2の逆数を求めたいときは、C尺の2にカーソル線を合わせれば、CI尺には2の逆数である5があります。
あるいは、CI尺の2にカーソル線を合わせれば、C尺で2の逆数の5が得られます。
たいていの計算尺にはCI尺が付いています。わざわざDI尺を使う必要があるのでしょうか?
正直言って、絶対使わなければならないということはありません。しかし、滑尺上で計算をしていると、滑尺が滑ってしまう可能性があります(滑るから滑尺です)。固定尺にあるDI尺を使ったほうが固定されているので(固定されているから固定尺です)、扱いやすいと思います。
DI尺を使うと、答えが固定尺上に出ます。連続計算のことを考えると、DI尺を使ったほうが便利です。