裏面にある三角関数尺

カーソル線

カーソル線の位置

計算尺の裏面に固定尺がない片面計算尺では、カーソルが両面計算尺と違います。

両面計算尺では、カーソル線はカーソル上にかかれており、計算尺上を右左に移動することができました。しかし、片面計算尺の裏面にはカーソルなどはなく、表面の基線の位置に対応する位置に、線が1本あるいは2本書かれています。

片面計算尺の裏面を利用して計算をするときは、このカーソル線を利用して計算します。

どちらのカーソル線を利用するか

実際に片面計算尺を利用してみるとわかると思いますが、右左あるカーソル線のうち、どちらのカーソル線に合わせても、表面で計算を続けることができます。

計算尺のC尺とD尺を利用して掛け算をするときを覚えていますか?C尺の1を合わせるときと、C尺の10を合わせるときとありましたよね。これらの違いは、どちらにすれば目はずれを起こさないかというのがポイントでした。

片面計算尺の裏面の基線の場合も同じです。どちらの基線に合わせれば目はずれを起こさないかということで、2つの基線を使い分けます。

三角関数尺

裏面に三角関数尺のある片面計算尺において、三角関数の種類は何種類かありますが、ここでは上の図で示したように、D尺対応のS尺, T尺についてみてみたいと思います。

sinの求め方

早速、sin(30)を求めてみたいと思います。裏面のカーソル線にS尺の30を合わせてください。計算尺の種類により、黒い字と赤い字の2つの数字が書かれているものがあります。その場合、たいてい黒い字がsinで、赤い字がcosのメモリになっていますので、確認してみてください。

そのまま、表面を見てください。

D尺の1かD尺の10に対応するC尺のメモリを見てください。すると、5が読み取れると思います。これより、位取りを考えて、sin(30)=0.5となることがわかります。

tanの求め方

tanの求め方は、sinの求め方とまったく同じです。sinの値を求める練習にもなりますので、tanでも試してみてください。